Monochrome


 中学時代にほんの少しだけかじったモノクロプリント。赤い照明が灯る、暗くて薬品臭が漂う狭い狭い部屋。
そんなダークな空間で一人引き伸ばし機を操作した事を、今でも鮮明に覚えている。
現像液に浸した印画紙から徐々に浮かび上がる写真に感動を覚え、何度も繰り返しプリントした。
しかし、イメージ通りにいかず、印画紙が底をつく・・・。

 こんな経験をしたからか、デジタルカメラのモノクロ写真に少し抵抗を感じていた。
現像ソフトで一瞬にして出来上がるモノクロ写真は、あまりに簡単過ぎる・・・と。

そんな考えを一変させたのが、2月に訪れた埼玉県秩父市の秩父鉄道線。
雪の残る山間の小さな駅でスナップ撮影をしている時だった。
「この駅、モノクロだよな。モノクロをイメージして撮ってみよう」心の中でそうつぶやいた。



 カメラのファインダーを覗くと、モノクロの似合う風景に出会うことがある。
そんな時は、モノクロをイメージして撮ってみる。
21世紀の新しいモノクロ写真の楽しみ方を見つけた・・・そんな気がした。





 



 Vol.1 秩父鉄道 

 〇 Vol.2 上総の国を行く(準備中) 


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